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一人の農夫がある時、ヒョウタンの種を一粒まいたところが、やがて芽をだしたヒョウタンは、見る見るうちに成長し、到るとところに蔓をのばした。農夫はその場所に来てみて、自分の仕事の結果に満足したが、このヒョウタンには、途方もない実が、たった一つしかならなかった。
ある朝この実を見にきた農夫は、小刀の腹でそれを何度かペタペタ叩きながら、「わたしのヒョウタンは、まだ熟していない」と言った。するとたちまち、ヒョウタンが小刀を彼から取り上げたと思うと、まったく同じしかたで彼を叩き返し、「わたしの男は、まだ熟していない」と言った。びっくりした農夫は、そのまま何も言わずに立ち去ったが、それから一ヶ月後にまた戻ってきて、前とおなじことをすると、ヒョウタンもまた同じことをした。
三度目に農夫がやってきて、同じことをしようとすると、ヒョウタンは今度はたちまち彼を飲み込んだ上で、そのまま村に転がっていって、人間も動物もみな飲み込んでしまった。こうしていくつもの村を荒らしまわった後で、ヒョウタンは一頭の巨大な牡牛に阻止され、その攻撃を受けた。牡牛の角の最初の一突きで、ヒョウタンに少しひびがはいり、次にまた突くと割れ目が広がり、三度目に突くとヒョウタンは真二つに割れた。そして割れたヒョウタンの一方の半分が海に、他方の半分が大陸になり、こうして陸と海が生じたのであると言う。

これはシュウルな印象がある。あのブニュエルが月が雲に隠れようとする時、眼球が現れ、カミソリでそれをきると、訳のわからないものが現れる。超現実主義の映像が思い出される。私も何もない空間をカミソリで切り裂くとそこにはもう一つの空間が顕現する映像を、嘗てシナリオに書いたことがある。次元は、実は重なりあっているのではないかと言う表象が私にはあって、それを映像にしたかったのだった。
民話・伝承にはそういう、思いもよらない想像力に出会う時がある。多分、私が古代史をやっているのは、そうした意外性を期待しているからかもしれない。
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