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2011.11.14 創作7
捜査会議は引き続き、害者の自宅周辺と省庁関係の聞き込みを続行し、新たに四谷繁華街の飲食店を中心に聞き込みを開始した。投入人数は四人である。
その責任者が鳥居彰浩刑事で、若水雷人(26歳)、佐藤勝(45歳)とパソコンお宅と言われる菊池大輔(29歳)が担当した。
「おい、雷人刑事、行くぞ。用意はいいか」
鳥居刑事は若水雷人とは下高井戸署で何度となくコンビを組んでいる。勿論、菊池大輔とも一緒に組んだこともあるが、雷人との方が捜査はやりやすかった。同じ若者でも菊池刑事は腰が重く、行動するより先ずは情報収集とかで器械に向かう。慎重に情報を固めてた末に漸く腰を上げる。信頼が置けると言う意味では菊池に凱歌が上がるのだが、じっと座っても文字盤を打ち付ける根気のよさは鳥居には出来ない相談である。一時間も器械の前で座っていると、集中力が減退して、尻がむずむずしてくる。現場に飛び出した方が十分に情報が取れると言う気になってくる。じっくり座って動かない菊池よりも腰の軽い雷人のほうが居心地がいい。
若い頃よりベテラン刑事の下で仕事を叩きこまれ、現場を足で捜査する方法が常識と仕込まれた鳥居には現場で直に聞き込みをする方法が身についている。時代の流れは思ったより速く、インタ~ネットが割り込んでくるが、鳥居には世の中の思考形態に就いて行けず、迷った末に、現場主義を貫くことにした。
「いつでも、行けますよ」
「害者の写真は持ったか」
「それは棟梁がお持ちでしょう」
<お持ち>はないだろう、と小言の一言も言いたいのだが、そんなことにお構いなく、さっさと歩いて行く。当初はかなり真剣に叱り飛ばしたが、糠に釘であまり応えない。昔なら平手で数発は自明のことだった。今の、民主警察とやらは、そんなことをしたら、訓戒どころでなく、下手をすれば免職に追いこまれかねない。
鳥居刑事は雷人の後ろ姿を眺めながら、<ふう>と息を吐(つ)いた。
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