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2011.12.13 古代の出産
つらつら思うに、やはり我々にとって現代は住みにくい時代なのでしょう。人々の意識が消極的で力が萎えています。そのため、子供を作るという行為が後ろ向きになるのも仕方がないのだとは思います。しかし、子供を生むという行為がなくては地(くに)は衰退します。馬鹿になって、がむしゃらに突き進むのがいいのですが、頭にいい人が多すぎる世の中ではこれも仕方がないのでしょう。

古代の出産は興味深い現象だともいます。
「古事記」に吾田鹿葦津姫(コノハナヤサクヤ姫)がニニギ命に自分の生む子を疑われて、吾田姫は土室(つちむろ)に火をかけて、自らの真実を占います。この行為は占いのほか、火で自らを清める意味も含んでいます。

嘗て、古代の出産は、家族から離れ(ヨゴレの忌き)産屋を造り、40日をその小屋で過ごします。室内には砂(土)を入れ、藁を敷き筵を置きます。そして一本の力綱を頼りに子供を生みます。(去年、土偶展を見たとき土偶の姿は立ち出産でしたのを思い出します)出産が終わりますと、砂や藁を取り去り、その小屋は焼かれます。
その血が沁みた砂(地)を産土と言います。
その出産の証こそ、この世に豊穣を齎す力であるのです。産土神とはその土地の守り神を言いますが、女性が持つ創生の呪力がたの邪まな鬼神をも祓う役目を務めているのです。

古代においての出産のもう一つの特徴は、子供は母から離れて、乳母に育てられることにもあります。乳母からは母乳を貰い、人生の様々な知恵をも教えられます。
私はその制度は太古の縄文時代からの継承ではないかと思っています。あの一万年をも続いた平安な縄文文化の根底には、この共同精神があったのではないかと推察しています。

それは飛騨の白川郷にある大家族制にその痕跡を残しています。
一つの家に幼児を抱えた複数の女たちが住むが彼女達は野良仕事から帰ると、一番先に帰った女が縁先で乳を欲しがってなく幼児に乳を吸わせます。それは自分の子であろうと他人の子であろうと関係がないのです。その次に残った乳があれば自分の子に乳を与えます。そこで足りない分は二番目に帰ってきた女がそれを補うのです。
そのようにして、白川大家族制をたも立たせているのです。それはまた、主婦権を持った女が家族に飯を分配する時にも見られる。共同の精神が定着しているからこそなし遂げられることで、だからこそ、家長も主婦の配分を見守っていられるのです。
産屋と乳母制度こそ、日本の出産に関わる根源的な営みだと思います。もう少し、掘り下げてみると日本人の深層意識にあるアミズム意識がこれらの意識を突き上げていると考えます。
今、私達はそのことの意味を再考してもいいような気がします。

古代出産雑話

出産についての話題では、やはりイザナミ・イザナギのマグワイでしょう。
国生み神話で神々を誕生させる際、この近親相姦の出産はどうでしたでしょう。

先ず、「吾と汝とこの天の御柱(みはしら)を行き廻り逢いて、ミトのまぐあいをせむ」と言います。そこで女神・イザナミが「汝は右より廻(めぐ)り逢へ。吾は左より廻り逢はむ」と言い、女神は「あなによし、え男を」と言います。(あなに、とは大変にと言う意味です。え男は、多分見た目のハンサム男でしょう)
すると、生まれたのは「淡路」です。これは流産と言っていいでしょう。そしてつぎには「ヒルコ」です。奇形児といえます。その変事を二人の神達は天に伺いを立てます。天の神々は占って、男神から声を掛けさせ、正常な出産に戻ります。

ここで、気になる用語は「天の御柱」「母権制の否定」「出産を占う行為」「異常出産」でしょう。
伊勢神宮や出雲大社にある「天の御柱」です。柱は色々な意味を示します。石の神形(多分、古来は男根でしょう。これは、邪悪を防ぐ道祖神・石神(ミシャクジイ・荒巾脛)に通じて行きます)、もう一つの意味は神柱(巨木信仰)で、これは私の推察では、雷で、天と地を繋ぐのは雷(神なり)です。神木はここでは重要な役目をします。
つまり、依り代です。神木は外に、櫛や玉串(たまぐし)にもつうじて行きます。
つまり、「天の御柱」とは天と地を結ぶ真如なのです。(真如とは宇宙の大原則と表現してもいいでしょう)

「母権の否定」は縄文依頼続いた地母神神の否定、弥生族の儒教的な家父長制の宣言なのです。地母神信仰は歪んだ思想で凶事しかうまないといった所でしょう。しかし、面白いことにその後、「ヒルコ」は流され、海人族の守り神として「恵比寿信仰」へと結実して行くのです。

「出産の占い」は古くはコノハナヤサクヤ姫の火にまつわる神話に受け継がれます。火といえば、火具土に因るイザナミの黄泉(死の国)行きでしょう。ここに生と死の創生神話の根があります。出産とは多分、運命が齎(もたら)す占い事なのでしょう。暗黒の中のイナズマの印象が濃厚です。出産とは天と地を繋ぐ神事(かみごと)なのです。

イザナミ・イザナギ神話の根底にはこうした創生神話の哲学が横たわっているといえます。
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