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2012.01.08 創作12
二日後に四谷署からの報告があった。大伴雄三が通っていたスナックが判明したということだった。

JR四谷駅から東に200米行った路地の小さな店である。二条紀子(65歳)が経営している。従業員四人で、チイママは大山鹿子、調理をする男は早田武雄と言う。後の二人はアルバイトの女の子である。
紀子は元皇族だったが、嫁いだ大企業の三男坊が親から受け継いだ会社を倒産させて、離婚したわけだが、生活に困り、始めたのがよるの商売であった。これが意外に当たり、不思議な雰囲気が客を集めた。軌道に乗るまでは何回か人に騙され、脅されたが、持ち前の大らかさが運良く助ける人も現れて、店は固定客が増えて行く。
この店でまともな感覚の人間は調理を受け持つ早田であるが、この人も経営感覚はバランスが取れて、計数にも明るいが、無口で欲が表に出てこない。通常、水商売は危うい商売で、従業員に金銭を任せれば使い込みは必ず興る。しかし、この早田にはそれがない。異常といえば異常なのである。常連もまた、客質がよくつけを溜めても必ず支払いは済ませる。金銭でいざこざを起こすのは新しい客で、それも時間をかければ淘汰されていった。家族的といえば家族的でその雰囲気に慣れるまでは、暫らく時間がかかる。
そんな環境が大伴の気持ちを惹きつけたのか、大山鹿子ののほほんとした性格が気に入ったのか、彼は密かに店に通うようになった。
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